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2024年12月06日

大手企業3社に学ぶ、スタートアップ連携の実践術 〜明確な目的意識が結果を生むーー~3社に共通する成功のエッセンス〜

15日に開催したKDDI ∞ Labo 全体会では、企業内で新規事業に取り組む方々にその事例を共有いただくセッションを実施させていただきました。登壇したのはエクシングの伊藤秀樹氏、小田急電鉄の和田正輝 氏、セイノーホールディングスの髙橋一馬氏の3名。各社の特色ある取り組みと、連携を成功に導くための具体的なアプローチ方法、社内展開のノウハウまでを詳しく解説いただきました。


本記事では、3社に共通する成功の秘訣をお届けします。


スタートアップとの効果的な対話を支える「事前準備」の質

3社に共通するのは、スタートアップとの面談における入念な準備と明確な目的意識です。エクシングの伊藤氏は「何かしら課題解決に繋がりますという形で関連するメンバーと事前に話をする」と説明します。一方で「人数は割と抑えめにしつつ」と、初期段階での議論の発散を防ぐ工夫も明かしてくれました。

小田急電鉄の和田氏は、スタートアップとの初回面談を自身のみで行うことを原則としているそうです。十分な検討がないまま協業の対話が打ち切られた経験から、まず自身で可能性を見極めた上で、適切なタイミングで事業部門を巻き込む手法を確立しています。

また、セイノーホールディングスの髙橋氏は、面談が行われる1週間前には想定される質問を準備し、社内の温度感を事前に把握することで、スピーディーな判断を可能にしています。

社内外への戦略的な情報発信

各社とも、自社の取り組みを効果的に発信する工夫を重ねています。
エクシングでは、プレスリリースやWebサイト、SNSでの発信を通じて社内への浸透を図っているそうです。

また、セイノーホールディングスでは、四半期に1回の全事業会社の代表が集まる会議の一コマを活用し、投資先スタートアップによるピッチの機会を設けています。直近では社内だけではなく、同業他社も含めた情報共有の場を作ることで、業界全体での価値創造を目指しているのも特徴と言えるでしょう。

逆に小田急電鉄の和田氏は、あえて「社外向け」の発信を選択。外部での講演や登壇を通じて得られた評価を、社内の理解促進に活用しています。「社会的に評価されたんだ」という認識が、新たな取り組みへの理解を深める突破口となっています。

温度差を理解する

3社の取り組みはスタートアップのカルチャーを理解しつつ、社内との「温度差」を埋めながら結果を求めるという点で一致しています。しかし、この温度差にはそれぞれ違いがあります。比較的その差が小さい企業もあれば、それなりの隔たりがあるケースもあるようです。

登壇いただいたみなさんが口を揃えていたのが情報収集の大切さです。トップ、現場、スタートアップ、そしてそれを繋ぐオープンイノベーションのチーム。全ての関係者、ステークホルダーの利害を理解し、時に日本企業独特の「空気感」「間合い」をコントロールしながらそれらを適切に繋げていく。
重要なのは、ハブとなるオープンイノベーションを推進する担当者がこの「温度差」を的確に理解し、社内に最適化させる独自の解を持つことなのかもしれません。

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