- インタビュー
2025年03月27日
AI総合研究所として活動する、東大発スタートアップ - NABLAS

- NABLAS株式会社
新立 拓也 - リサーチャー
2025年3月25日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ6社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
4社目はNABLASです。食品・流通小売領域の専門知識を取り込んだマルチモーダルな大規模モデルの開発をするスタートアップです。今回は、NABLASのリサーチャー 新立 拓也氏にお話を伺いました。
めぇ〜ちゃん
- 「NABLA-VL.food」とは、社内データベースやSNS上の食べ物に関する膨大なデータをLLMを用いて分析し、 - トレンドの抽出 - 注目の食べ物・地域・ターゲット層・色・形の抽出およびそれらに関するレポートの作成 - 標準化されたデータベースの自動作成 - そのデータベースをもとにした質問応答 など様々なタスクをこなせる、食に関するAIアシスタントを提供するサービスです。
リサーチャーの新立氏に伺いました
何をしている会社ですか?
新立:私たちは、総合商社から自動車メーカーまで、幅広い業界において機械学習を活用したコンサルティングや共同プロジェクトを手掛けるとともに、自社プロダクトの開発にも積極的に取り組んでいます。今回新たに立ち上げた「NABLA-VL.food」は、そうした自社プロダクト開発の一環としてスタートしました。さらに、AI人材育成にも力を入れており、「業務課題を解決できるスキルを身につけること」を目的としたAIに関する講座提供サービス「iLect」を提供し、実践的なAIの知識や技術を学べる環境を整えています。
サービスイメージ
なぜサービスを立ち上げたのですか?
新立:小売業の企業から「社内に標準化されたデータベースが存在しない」という声を聞いたことが、本プロジェクトを立ち上げる大きなきっかけとなりました。ちょうどその時期に、GENIACの2期目の公募が開始されていたことも後押しとなり、基盤となる大規模モデルの開発からサービスの構築までを視野に入れたプロジェクトが、その支援を受けて始動しました。また、SNSなどのデータはノイズが多く含まれ、個々の情報が断片的である一方、LLM(大規模言語モデル)との相性が良いと考えています。こうした特性を活かし、新たな価値を生み出せると確信したことも、プロジェクト推進の重要な背景となっています。
これからの目標はありますか?
新立:私たちのプロジェクトには、「精度の追求」と「対応タスクの拡大」という2つの重要な目標があります。まず、精度の追求に関しては、独自に開発したモデル「NABLA-VL」の精度向上を図り、サービス概要で挙げた各種タスクをより高精度に解決できるようにすることを目指しています。一方、対応タスクの拡大では、より複雑で多様な課題に対応できるようにすることで、適用範囲を広げることを目的としています。これらの目標を達成することで、日本の食品業界や小売業界の業務効率を飛躍的に向上させ、新たな価値を生み出すことを目指します。
最後に一言お願いします
新立:現在、私たちは大規模モデルの開発と実証実験を並行して進めており、サービスの展開や実際の利用を視野に入れた協業先を積極的に探しています。手間のかかる作業を可能な限り自動化し、よりクリエイティブな業務に集中できる環境を提供することを目指し、サービスの改善を進めています。こうした取り組みにご関心のある企業や団体の皆さまと協力しながら、より実用的で価値の高いソリューションを共に創り上げていきたいと考えています。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお声がけください。
めぇ〜ちゃん
- 最先端のAI技術、特にDeepLearning技術を活用したソリューションを提供するAI総合研究所「NABLAS」に注目です!
それでは次回もお楽しみに!
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