1. TOP
  2. インタビュー
  3. 三井不動産とクレサヴァが共創!サステナブルファッションをコンセプトにした「KISARAZU CONCEPT STORE」の手応えを聞いた
  • インタビュー

2023年10月30日

三井不動産とクレサヴァが共創!サステナブルファッションをコンセプトにした「KISARAZU CONCEPT STORE」の手応えを聞いた

クレサヴァ株式会社
中谷 友泰
経営戦略兼営業企画
三井不動産株式会社
伊藤 榮輝
商業施設本部 商業施設運営部

クレサヴァは、サーキュラーイノベーションを軸に循環型テクノロジーを展開するスタートアップです。廃棄される服から肥料を製造して野菜を育てる循環型の衣食住事業「CIRCULAR FARM(サーキュラーファーム)」を提供しています。


一方、三井不動産は今年6月、千葉・木更津にある三井アウトレットパーク木更津の隣接地に、サステナブルファッションをコンセプトにした新業態ストア「KISARAZU CONCEPT STORE」をオープンしました。


三井不動産ではこの新業態ストアでいくつかの企業や大学と連携し、消費者にファッションにまつわる新たなサイクルを体感・体験できる場を提供しています。そのパートナーの一つに選ばれたのがクレサヴァです。両社がここでどのように協業しているのか伺いました。


両社は、どんな経緯でお知り合いになりましたか?

中谷:前職のブランドビジネスで取り組みをしていた三井不動産がアウトレットモール事業を拡大していくタイミングで、一緒にビジネスをしていたのがきっかけです。クレサヴァに転職するタイミングでサーキュラーファームの説明をしたところ、話を聞かせて欲しいといただき、今に至っています。

伊藤:KISARAZU CONCEPT STORE は、ただモノを売っているだけの場所には絶対にしたくないというのが、弊社側で考えていたことでした。新しい取り組みをされている方々が表現できる場所を提供していきたいという思いがあり、中谷さんのお話を伺い両社での取り組みが始まりました。


KISARAZU CONCEPT STORE
Image credit: Mitsui Fudosan

両社での協業に向けた話し合いはスムーズに進みましたか?

中谷:衣類から肥料にという今までにないサステナブルな取り組みにおいて、化学繊維を含む全ての素材を安全に土に還すことができるテクノロジーを理解していただくところから始まりました。伊藤さん含む三井不動産のチームには弊社に足しげく通っていただいて、弊社代表から独自テクノロジーについて説明することで、賛同いただくことができました。

伊藤:対面で話したことで、話が早く進んだのと、双方の熱量も伝わったのがよかったと思います。どうしたらクレサヴァさんの技術が一般消費者に響くんだろうと考えていて、クレサヴァさんが展開されていく方向性を伺う中で、我々がどう一緒に関わっていけるか、中谷さんとお話を重ねさせていただきました。

現在のお取り組み内容を教えてください

中谷:事業を発表したのが4月で、我々が三井不動産の新施設に出展することも初めてだったので、取り組みをどのように皆さんに知っていただくかが一番の課題でした。期間限定のキャンペーンとしてオープンのタイミングは、店舗に不要な衣類を持ってきていただくと、交換で1kg当たり250円のクーポンを差し上げておりました。このクーポンは野菜の購入に利用できます。

この取り組みで、お客様への認知や衣類回収を促進しました。KISARAZU CONCEPT STOREが日本でサステナブルの取り組みをしている施設と、ここに来るお客様の意識が非常に高く、衣類が土に還って肥料になり、農家さんのサポートをすることで美味しい野菜ができて、日本の食料自給率を上げることにもなる循環型の取り組みであるという点に共感を得ました。

来店される消費者の方々はクーポンが目当てではなくサステナブルな行動に賛同し、衣類を持参してくださっている事が分かりました。お客様への認知を拡大するための情報発信をして、継続的な取り組みとして衣類の回収を促進させていくような方向性を考えています。

どれほどの方が衣類を持ち込んできたのでしょうか?


Image credit: Cresave

中谷:衣類の重さが1〜2kgのお客様や、近隣のお客様だと20〜30kgを1回でお持ちいただいたケースもあります。4〜5回とリピーターになっているお客様もいらっしゃいます。以前は違うブランドの回収ボックスに衣類を入れていたけれど、弊社の取り組みに共感をしていただき、持ってきていただいた方もいらっしゃいました。1ヶ月で回収した衣料の総重量は100kg以上になりました。

基本的には、下着以外のものでしたら何でもお持ちくださいとお伝えしております。そのためアウターからインナー、スーツなど不要になったものを幅広く持ってきていただきました。

この反響をどのように思われましたか?

伊藤:アパレル大手さんを含めて、多くの場所で服を回収しているところがあると思います。今回クレサヴァさんの取り組みは入場料を払って来てもらうので、結構ハードルが高いと思っていました(編注:KISARAZU CONCEPT STORE には、300円の入場料が必要(中学生以下は無料))。

しかし、多くのお客様が不要になった衣類を持ってきてくださり、お客様はこういう活動をご覧になられているんだと感じました。また、 クレサヴァさんの技術に驚かれていたお客様も多いと思いました。

中谷:正直びっくりしました。お客様とお話をしてると、洋服はゴミの日に出すことがほとんどで、回収カウンターとか回収ボックスがどこにあるかわからないというような方が非常に多かったんです。


Image credit: Cresave

今後、両社がどのような取り組みをしていくのか、展望があればお聞かせください

中谷:FACTORY LABの中で展開している CIRCULAR FARM の存在意義や、衣類回収から生まれるコミュニケーションを通じて、お客様が施設の中でお買い物するだけでは得られないような消費者意識の変化を促したいです。サステナブルの取り組みをライフスタイルとして取り入れてもらうことで、日常的に衣類を持参し来店して頂けるような習慣づくりを促したいです。
伊藤:お客様に、まだまだ知ってほしいなと思っています。それがお客様の行動に反映され、もっと活動の輪を広げていきたいです。

中谷:この施設の中でできることがまだたくさんあります。エンターテインメントスペースとしての役割や、リピーターのお客様をどんどん増やしていく一つのコンテンツとしての役割が、弊社にあると考えます。

最後に、大企業とスタートアップが共創するにあたりお互い意識することはありますか?

伊藤:個人的には、自分が大企業にいる意識で仕事をしていることはあまりないです。大企業とスタートアップという関係性ではなく、フラットに一緒にできればいいなと思ってます。企業の規模に関わらず、純粋に良いものを作るという方向が一致して話が進められたので、それがとてもいい関係性だと個人的に思っています。

中谷:弊社としては、CIRCULAR FARM という取り組みをどんどん広げていきたいという思いが非常にあります。私達のようなスタートアップ企業にできる事は限りがある為、声はなかなか広がっていきません。三井不動産さんのように、さまざまなビジネスを多岐にわたってやられてるところと一緒に取り組むことで、その声をどんどん広げていけるのではないかと思います。

ありがとうございました

関連記事

インタビューの記事

すべての記事を見る記事一覧を見る

Contactお問い合わせ

掲載記事および、
KDDI Open Innovation Program
に関する お問い合わせはこちらを
ご覧ください。