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2023年07月14日

子どもが夢中に出会える親子体験型オンラインフェスを共催——教育メタバース「SOZOW」とテレビ朝日、両社を資本提携に導いた接点とは

SOZOW株式会社
小助川 将
代表取締役
株式会社テレビ朝日
織田 笑里
ビジネスソリューション本部  ビジネスプロデュース局ビジネス推進部  兼 コンテンツ編成局メタバース部
株式会社テレビ朝日
重藤 貴志
経営戦略局 経営戦略部 兼 ビジネスソリューション本部 ビジネスプロデュース局ビジネス推進部

メタバース × 教育をテーマに事業展開するSOZOWは2022年11月、シリーズAラウンドで4.3億円を資金調達しました。最近では、シリーズAラウンドで数億円の資金は、ごく少数、場合によってはベンチャーキャピタル1社から調達でも賄える環境にありますが、SOZOWは10社と1個人から資金を調達しました。


このときの投資家のうち数社は事業会社で占められており、PMF(プロダクトマーケットフィト)が完了した直後の早い段階から、大企業との事業共創に積極的に挑戦しようとしていた姿勢が窺い知れます。なかでも、2022年7月にオンラインイベントを共同で展開したテレビ朝日からは、わずか3ヶ月で出資を受けることが決定しました。


テレビ朝日は、事業共創プラットフォームKDDI∞Laboのパートナー連合(2023年6月現在81社)の初期メンバーとして、日本のスタートアップの成長や共創に向けた環境をKDDIと共に育んできました。そして、2021年にSOZOWとテレビ朝日はKDDI∞Laboで出会ったことがきっかけとなり、共創や資本提携に話が進展しました。今回はその経緯や裏話を両社に伺いました。


両社が出会った経緯について教えていただけますか


織田 笑里さん(テレビ朝日 ビジネスソリューション本部 ビジネスプロデュース局ビジネス推進部)

織田:小助川さんの会社のみなさんとオンラインでお会いしたのが最初ですね。小助川さんが語られている次の時代の教育、次の時代を作る子供たちにとっていいサービスとは、というところにすごく真摯に向き合ってらっしゃる姿に感銘を受けまして、何かご一緒したいと思ったのがきっかけです。

小助川:サービスがスタートしてまだ10ヶ月ぐらいの時期だったので、本当なのかなと最初は半信半疑でしたが、テレビ朝日の若葉台メディアセンター(東京・稲城市)でお会いさせていただく中で、私たちも一緒にやっていきたいなと思うようになっていったんです。それと織田さんのお子さんにまつわる原体験だったりとか、あとはテレビ朝日さんが教育を今後の経営計画の中で非常に重要視しているという点もありました。この2点が特にすごく印象に残っております。

織田さんのお子さんとのエピソード、差し支えない範囲で教えてください

織田:私の子供が中学2年生ぐらいから動画クリエイターの道に進んでいて、学校の5教科をバランスよく学ぶのが得意という子供ではなかったんです。親として、子供をどう育てるのかという問いに正解はないのだと感じてきました。

自分自身も悩んできたので、SOZOWさんのような選択肢を増やしたり、選択肢を肯定していく環境が子供にとっては勇気をもらうことになるのだと思います。「好きを伸ばす」と、言葉で言うと簡単なように聞こえますが、SOZOWでの体験を通して「好き」を後押しする人との出会いが生まれたらいいなと思います。

小助川:私にも長女と息子がいるのですが、SOZOWのサービスは2人の子育ての原体験から生まれています。織田さんのお子さんの原体験も含めて本当に通じるものがあり、私たちの目指しているビジョンに共感していただけたんです。

両社はイベントを通じて連携が進んだイメージなのですが、共創を進める上でうまくいった点、苦労した点を教えてください

織田:イベント連携は大きく2つありました。一つ目は「君も博士になれる展」というリアルイベントです。子供の好奇心を刺激するような企画になっていて、SOZOWさんが手がけていることと共感性が高いのではないかと感じました。

もう一つは夏の大型イベント、「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION」の中でおこなったワークショップとオンラインイベントです。子供の夏休みの自由研究に繋がるようなコンテンツを実施できないかという話が社内で持ち上がったんですが、SOZOWさんと一緒にやれば、「サマステ」で実現したいことが叶うと考えてお声掛けしました。目指したい方向性が合致していたイベントでご一緒させていただいたので、細かい調整はあったものの、特段大きなハードルがあったという記憶はありません。


昨年のイベントの様子

出資のお話はどのような経緯だったのですか

小助川:出資を含めて事業連携できないか、という提案は私からさせてもらいました。私たちは昨年秋にシリーズAの資金調達を実施したのですが、その際、両社で協力して全国の子供たちにオンラインを通じて好奇心を広げる機会を一緒に作れないかという提案をさせていただいたんです。様々なコラボレーションを通じて実績を作っていき、その後出資をいただく流れになっています。

織田:このラウンドについてはリード投資家も決まっていたため、具体的に進展したのは昨年の「サマステ」が終わってからです。イベントでご一緒して良い印象だったので、テレビ朝日で事業シナジーが生まれそうだ、ということで出資に至りました。

出資検討を進める中で困難だったことはありますか

織田:SOZOWさんがやっているサービスの将来性をどのように社内に発信するか、その工夫が必要だなと思っていました。テレビ朝日には教育をエンターテイメントで包んでみなさんにお届けしているような「エデュテイメント」番組が数多くあります。また、キッズ向けの番組や『博士ちゃん』など、子供が主役で、ファミリーで視聴できる番組も放送されています。

このような背景があるからか、社内でも役員などに相談すると、SOZOWさんが提供している先進的で将来性を感じるサービスを理解してもらいやすかった印象があります。そのような話し合いの中で社内での応援団を増やしていった感じです。

資金調達の相談を受けてから出資決定までの期間はどれくらいでしたか

織田:具体的な出資のお話は8月にスタートし、10月末までには決まっていたので、かなりスピード感を持って進めてきました。3ヶ月ほどですね。

重藤:実際には資金調達を検討されているというお話は以前より伺っておりました。弊社では、スタートアップ投資はオープンイノベーションによる効果を最大化させることを重視しています。

経営陣にSOZOWさんの魅力をしっかりと伝え、両社の連携をより自分事化してもらうには、数字を並べるよりも連携実績を見てもらう方がよいと考え、小助川さんにはそのような進め方をご提案させていただきました。遠回りのようにもみえますが、弊社が力をいれている「サマステ」での連携実績は、デューデリジェンス以上に大きな信頼につながったのではないかと感じております。

今後のお話をお聞かせください


小助川 将さん(SOZOW 代表取締役)

小助川:5月にテレビ朝日さんと共同で、夏休みに小中学生向けの日本最大級となるオンラインイベントを開催するというリリースを出しました。全国の子供たちに、どこに住んでいてもオンラインの環境で、親子全員が無料で参加できるイベントを開催することが最初の目標です。

教育格差や体験格差、貧富の格差などを取り除き、子供たちがわくわくする体験を届けたいと思っています。現在、国では「異次元の少子化対策」として取り組みが進められていますが、不登校の増加をはじめとする日本の教育や子供に関する課題に対して、未来への希望があふれるような社会を築いていければと思っています。

織田:私はメタバース部という部署を兼務しており、リアルやデジタル、オンラインなど様々な形でのインプットやアウトプットが組み合わさっていく時代になってきたことを感じています。小助川さんもよくおっしゃるように、子供に選択肢を与えることが子供の未来を形作る一歩目だと思います。世の中で唯一の選択肢ではなく、さまざまな組み合わせが広がる時代になればと思っています。

テレビ朝日としても、配信やメタバース空間、リアルなイベントなどをどのように組み合わせて新しい価値を提供できるか考えています。特にファミリーや子供向けのコンテンツにおいて、小助川さんが展開している内容は大いに可能性を感じています。

また、大人社会においても子供目線での企画の重要性を共有し合えるSOZOWさんとの協力は欠かせません。このような意味でも、今後も協業を進めていければと思っています。

最後に、教育というと算数国語理科社会のイメージがある中で、今月開催されるイベントSOZOW FESはどのように企画されましたか


昨年のイベントの様子

織田:大切にしていることは、子供が社会との接点を持つきっかけとなるイベントにしたいということです。大人は心配性なので子供を危険から守りたいという感覚がありますが、社会と関わることで子供たちが成長していくという考えもあります。仕事紹介や企業とのコラボセッションを通じて、子供たちが社会とのつながりを意識し、自分の才能や好みに気付くきっかけになればと思います。

小助川:5教科の教育は、学習塾を始めとしたプレイヤーがすでに多数存在しています。 一方で、5教科学習の本質は、教科書通りに学習しなくとも、子どもの好奇心から始まる活動でも得られると考えています。例えば、うちでは動画制作も行いますが、未来のクリエーターとして動画を作りたいという子供たちがいます。

動画は起承転結を考える点で、むしろ国語の文章そのものなのです。表現の方法が紙とペンか、動画かでは異なるものの、本質的には同じような学びが得られるんです。そうした機会を提供していきたいですね。

めぇ〜ちゃん
今月開催される「SOZOW FES 2023 SUMMER with テレビ朝日」についてお伝えします!

「SOZOW FES 2023 SUMMER with テレビ朝日」概要


SOZOW FES 2023 SUMMER with テレビ朝日

  1. 日時
    2023年7月22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)・8月4日(金)~6日(日)の計7日間
    10:00~20:30(予定が変更になる場合や、開催日によって時間が前後する場合あり)
  2. 会場
    オンライン
  3. 内容
    ・インタラクティブ&ライブにこだわった体験型のコンテンツで、子どもの興味が広がり夢中になれるものとの出会いの場を提供
    ・マインクラフト、宇宙、未来の仕事など、子どもがワクワクする内容をテーマに多彩なゲストによるオンラインライブセッションやワークショップを開催するほか、未来のクリエイターや起業家を発掘するプレゼン大会を開催
    ・すべてのプログラムをオンラインで行うため、全国どこからでも参加でき、子どもと社会や企業との出会いの場を創出
  4. 申し込み
    以下サイトにて無料登録
    https://fes.sozow.com/

皆さまのご参加お待ちしております!

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