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2024年04月02日

「鈴木敏夫とジブリ展」をメタバース上に再現、担当者に聞いた制作の裏側

KDDI株式会社
日向野 貴大
パーソナル事業本部 マーケティング本部 マーケティング企画部
KDDI株式会社
秋山 雄真
事業創造本部 Web3推進部

KDDIは2023年8月から「αU metaverse(アルファユー メタバース)」において、日本各地で開催されている「鈴木敏夫とジブリ展」の一部をメタバース上で再現した『バーチャル展覧会』を、スタジオジブリ様との共創の取り組みとして実施しています。このバーチャル展覧会では、「鈴木敏夫とジブリ展」で展示されている、鈴木敏夫プロデューサーが少年時代から読んできた書籍の紹介や写真、立体造型物などの展示を楽しむことができます。


バーチャル展覧会の特徴は、実際の展覧会に参加した方はもちろん、これから参加したい方や参加できなかった方など、どなたでもメタバース上でスタジオジブリの世界観を無料で楽しむことができる点です。


本記事では今回の展示会にタッグで取り組んだKDDIパーソナル事業本部 マーケティング統括本部 マーケティング企画部の日向野貴大氏と、KDDI事業創造本部 Web3推進部の秋山雄真氏にインタビューしました。制作の裏側や今後の展開についてご紹介します。


「鈴木敏夫とジブリ展」をメタバース上で開催することになった経緯を教えてください。


  パーソナル事業本部 マーケティング本部 マーケティング企画部 日向野氏

日向野:auは2022年から、「鈴木敏夫とジブリ展」に特別協賛という形で参加させていただき、auのお客様をご招待する特別内覧会や、通信技術を活用した会場内でのARコンテンツ提供、au PAY決済でノベルティをプレゼントする等、多くの取組みをさせていただいております。その中でアンケートやSNSからお客様の声を聞いていると、「内容が盛り沢山で嬉しい反面、全て見切ることができなかった」「遠方に住んでいるため、リアルの会場に行けない」などのご要望がありました。

そんなときに「αU metaverse」を活用すれば、いただいたお客様のご要望にお応えできるのではという想いから、プロジェクトが立ち上がりました。

秋山:日向野さんから声が掛かったときは、ちょうどWeb3推進部としても「αU metaverse」を活用して、どのようなコンテンツを展開するのか検討していたタイミングでした。

そのため「鈴木敏夫とジブリ展」の話を伺ったときは、スタジオジブリ様とこれまでにない形で共創し、多くのジブリファンの方々に喜んでいただける素晴らしい機会だと思い、実施することが決まりました。

こだわったポイントがあれば教えてください。


  KDDI事業創造本部 Web3推進部 秋山雄真氏

秋山:リアル展示会をメタバース上で再現するにあたり、できる限りリアル展示会と同じ素材を使うことには、こだわりを持って取り組みました。また実際にリアル展示会を訪れたかのような「体験」をいかに創出できるかも、非常に意識したポイントです。たとえば鈴木敏夫プロデューサーが少年時代に読んでいた書籍の展示や少年時代に暮らしていた部屋を忠実に再現しました。「鈴木敏夫とジブリ展」主催の方々が、メタバース上での見え方を丁寧に確認してくださったことも、クオリティを高めるうえでとても心強かったです。

日向野:私たちの部署も同様に、「鈴木敏夫とジブリ展」の世界観をそのままメタバース上で表現することにこだわりました。スタジオジブリ様はじめ、主催の方々とも協議を重ねながら、リアル会場と同じ順番で展示をしたり、そのための素材を収集したりすることに、チーム一丸となり取り組みました。実際にリアル展示会の終了後に会場をプロジェクトメンバーで巡り、どこに何が配置されているのかを細かく確認したこともあります。スタジオジブリの方々が高い熱量で、メタバース上での再現に協力してくださったことも、実現できた大きな要因の一つです。

実際の成果や反響については、いかがでしょうか?


「バーチャル展覧会」イメージ

日向野:メタバース上で開催するきっかけになった、リアル会場に足を運ぶことが難しいお客様に展示会を楽しんでいただけたことも成果の一つです。さらにメタバース展示会には、リアル展示会の案内も掲示していたので、「メタバースで見てみたら本物も見たくなった」というお客様もいらっしゃったのではないかと考えています。実際にSNSでも「本当に展示会場にいるような臨場感があった」「本物を再現するクオリティが高くて驚いた」などの反響をいただくことができました。

秋山:Web3を推進する立場で言えば、老若男女のファンを抱えるスタジオジブリ様の展示を実現できたことで、これまでメタバースに触れてこなかった方々に、メタバースの魅力を伝えられたことがが大きな成果だと感じています。またスタジオジブリ様とWeb3の領域でコラボレーションできたことも、Web3業界の大きな一歩になったのではないかと思います。

日向野:スタジオジブリ様とauは、かつて映画に協賛させていただいたこと以外にも、最近ではこうした展覧会協賛による取組みや、ジブリパークのオフィシャルパートナーを務めさせていただいたりと、長きにわたりご一緒させていただいてきたからこそ、今回のプロジェクトが実現したのだと思います。そういう意味で、これまでご一緒させていただいてきたスタジオジブリの関係者のみなさまにも、感謝の気持ちで一杯です。

最後に今後の展望について教えてください。

日向野:今後は「メタバースならではの見せ方」を提案していきたいと考えています。今回はその一歩目として、「リアル展示会の忠実な再現」を実施することができました。これからは「αU metaverse」で実施するからこその体験を付加価値として提供していきたいです。

秋山:日向野さんと同様に、Web3推進部としても、メタバースだからこそできる体験という視点で、さらにグレードアップしていきたいと考えています。またマクロの視点でWeb3やメタバースの業界を盛り上げるためにも、メタバース上で展示会を開催することに興味がある企業様がいらっしゃれば、ぜひコラボレーションのご相談をいただければ嬉しいです。

ありがとうございました。

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