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2023年08月30日
KDDIとスペースX、衛星とスマホの直接通信サービスを提供
KDDIは2023年8月30日、Starlinkの最新鋭の衛星とauスマートフォンとの直接通信サービス(以下 本サービス)の提供に向けて、Space Exploration Technologies Corp.(以下 スペースX)と新たに業務提携を発表した。
スペースXが開発したStarlinkとKDDIのau通信網を活用することで、auスマートフォンが衛星と直接つながり、空が見える状況であれば圏外エリアでも通信をすることが可能になる。これまでどの国内通信事業者でも5Gや4G LTEでは提供が困難だった山間部や島しょ部を含む日本全土にauのエリアを拡張し、「空が見えれば、どこでもつながる」体験を実現していく。
本サービスは、2024年内を目途に提供開始を予定している。SMSなどのメッセージ送受信から開始し、音声通話/データ通信も順次対応予定である。既存の携帯電話の周波数帯を使用することから、ご利用のauスマートフォンのまま衛星と通信が可能。家族や友人との連絡手段として、また緊急時にも活用できる。
両社は、世界各国の通信事業者とも協力し、海外渡航時においても本サービスが利用できるよう検討していく。KDDIは今後もStarlinkの活用などによりお客さまに安定的な通信サービスを提供し、「KDDI VISION 2030」である「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」ことを目指していく。
auエリア展開の取り組み
KDDIは、お客さまの日常をつなぐため生活動線のエリア整備を積極的に行い、4G LTEの人口カバー率は99.9%を超えている。また、お客さまの非日常をつなぐ通信エリアの実現に向け、光ファイバー回線を敷設しづらい地域においては、Starlinkをバックホール回線としたau基地局を順次展開している。
しかしながら、日本国土は16,000以上の山々と14,000以上の島々を有しており、諸外国と比べて、国土面積に占める可住地面積率は33%と小さく、地理的条件により基地局の設置が困難な場所が存在することから、国土における4G LTE面積カバー率は約60%に留まっている。
これまでの取り組みに加え、新たにスマートフォンが衛星につながることで、「日本のどこにいても、つながらないがなくなるように」を実現していく。
Starlinkについて
Starlinkは、世界中のユーザーに高速で低遅延のインターネットを提供している。低軌道を使用する世界初かつ最大の衛星群を活用し、ストリーミング、オンラインゲーム、ビデオ通話などをサポートするブロードバンドインターネットを提供している。Starlinkは、スペースXによって設計および運用されている。
世界をリードする航空宇宙企業であるスペースXは、宇宙船および軌道上のオペレーションに関する豊富な経験を活用して、世界で最も先進的なブロードバンドインターネットシステムを展開するとともに、既存のLTEスマートフォンに直接接続するための衛星群を提供する。
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