- インタビュー
2025年07月18日
挑戦するエンジニアのプラットフォーム - ファインディ

- ファインディ株式会社
山田 裕一朗 - 代表取締役
KDDIは、挑戦するエンジニアのプラットフォームを提供するファインディへ出資したことを公表しました。「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回はファインディの代表取締役 山田 裕一朗氏にお話を伺いました。
代表取締役の山田氏に伺いました
何をしている会社ですか?
山田:2016年に創業した当社は「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」というビジョンを掲げ、ITエンジニア領域における個人・組織それぞれの課題解決に取り組んでいます。
現在は、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」、ハイスキルなフリーランスエンジニア紹介サービス「Findy Freelance」、経営と開発現場をつなぐ戦略支援SaaS「Findy Team+(チームプラス)」、開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」、及びテックカンファレンスのプラットフォーム「Findy Conference」の5つのサービスを提供しています。サービスの累計会員登録数は約22万人、国内外のスタートアップ企業から大企業までの3,500社にお使いいただいております。
また「技術立国日本を取り戻す」という設立趣意に基づき、2024年のインド進出を皮切りに、現在、韓国・台湾でも「Findy Team+」を展開。企業成長の源泉であるソフトウェア開発において日本発のイノベーションを増やし、世界市場で競争力を持つ日本のIT企業を1社でも多く生み出すことを目指し、まずは当社がグローバルマーケットで通用する企業になることを企図しています。
サービスイメージ
なぜ会社を立ち上げたのですか?
山田:ファインディを立ち上げた理由は2つあります。
- 「技術立国日本を取り戻す」への挑戦
製造業では世界でトップレベルになった日本がIT領域では大きく出遅れています。今後、日本の豊かさを維持するためにはIT/AI領域で世界に出るスタートアップが増えること、そして既存の製造業や小売もIT/AIを駆使したプロダクトやサービスの開発・提供が必要になります。そんなイノベーションやDXを牽引するエンジニアの挑戦を後押しすることで技術立国日本をIT/AI領域の面から取り戻したいと思いました。 - スタートアップで感じた起業と成長の楽しさ
前職のスタートアップで創業期から7年間、起業家の横で長く働く中で、自分も挑戦してもみたい、やれるのではないかと思ったことがきっかけです。まずは起業したいから始まり、共同創業者の佐藤と一緒に何をやるかを議論する中で今に至ります。今、海外展開も始まっていて、起業して今が一番楽しいです!
これからの目標はありますか?
山田:目標としては、3つ掲げています。
- プラットフォームの強化
「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」をビジョンに、ITエンジニアの仕事探しに加えて、様々なDevOpsツール(※2)の利用機会拡大、大規模カンファレンスや先端技術の勉強会開催など、ITエンジニアの成長をサポートする事業を強化していきます。また、プラットフォームの拡大に向けて、ファインディの各種サービスを共通IDで利用できる基盤も構築していきます。さらに、テック企業向けのエンジニア採用支援に加え、技術広報(エンジニア採用ブランディング)支援や開発生産性の改善、DevOpsツールの利活用最適化など、プロダクト開発全般において支援できるサービスおよびコンサルティング基盤を整えていく予定です。
(※2)ソフトウェア開発と運用を効率化するクラウド型支援ツール
- グローバル進出本格化
既存プロダクトである「Findy Team+」のグローバル進出を本格化します。2024年より進出しているインドに続き、今回の資金調達により、韓国・台湾に進出します。2025年夏に韓国にて拠点開設、来年を目途に台湾での拠点開設を目指します。またインドに進出する日本企業の増加にあわせ、当社が培った知見をもとに他社のインド進出も支援していく予定です。こうした活動を強化していきながら、2028年にはアジアでの導入企業1,600社を計画しています。さらに、アジアのみならず、欧州でのプロダクトニーズも並行して調査していきます。 - 生成AI活用を推進するプロダクトの開発
ソフトウェア開発において生成AIが欠かせないツールとなっている現状にあわせ、開発における生成AI活用を促進する新規事業を展開していきます。
KDDIからの出資を通して期待していることはありますか?
山田:出資に伴う期待については、2つあります。
- KDDIアジャイル開発センターを中心とした協業
アジャイル開発の推進と開発生産性を可視化するSaaS「Findy Team+」は非常に高い親和性を持っています。今後、より大手企業に対して共同で価値提供できるよう連携していきたいと思っています。。
https://kddi-agile.com/news/20240710-01 - グローバル展開での連携
KDDIさんが出展するSushi Techや前回のMWC@スペインなどでブース含めての連携を始めさせていただいております。また一部、欧州やアジアの投資家などの紹介も始まっています。今後、こうした連携機会を通じて、海外展開のご支援をいただきたいと思っております。
最後に一言お願いします
山田:KDDIさんには前職のレアジョブ時代から協業や資本提携でお世話になっております。KDDIさんのスタートアップ目線に立った支援のスタンスはCVCとして群を抜いており、非常に助かっております。また、シリーズB,C,Dと3回にわたり出資いただく中で継続的なご支援をコミットいただけているのは、資金はもちろん、マーケットからの信頼を得る大きな効果となっております。
今後、すでに始まっている協業だけではなきく、グループ全体を巻き込めるような新たな協業にも挑戦したくぜひ引き続きご支援お願いします。