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2025年05月16日

未利用排熱のエネルギー変換- elleThermo

株式会社elleThermo
生方 祥子
代表取締役CEO & Founder

2025年5月15日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。


1社目はelleThermoです。再生可能エネルギー発電及びオール電化製品・機器、その他の新エネルギーに係る製品・機器の製作・販売をするスタートアップです。今回は、elleThermoの代表取締役CEO & Founder 生方 祥子氏にお話を伺いました。


めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
STCは身近な熱で発電する、薄くて軽い、新しい電池です。室温でもリチウムイオン電池の充電ができ、将来はメガサーマルとしてエネルギー問題の解決に貢献していきます。

代表取締役CEO & Founderの生方氏に伺いました

何をしている会社ですか?

生方:エレサーモは、未利用排熱を電力へ変換する新しいエネルギー変換技術「半導体増感型熱利用電池(STC)」の普及を通じて、エネルギー問題の解決を目指すスタートアップ企業です。STCは、半導体の中で生まれた熱励起電荷が電解質イオンを酸化・還元して発電する技術です。室温を含む0℃以上の温度帯で発電でき、製品のモジュール形態も薄く軽いシート状が基本構造であるため、お客様の希望設置場所や設置スペースに対して柔軟に対応可能である点が特長です。

AIやクラウドサービスの普及に伴い半導体工場やデータセンターの増加・大規模化が進むことで、将来的な電力需要の急拡大が見込まれている一方、日本では輸入したエネルギーの約3分の2が排熱として捨てられている現状があります。エレサーモは、データセンターから工場、発電所、身の回りの未利用排熱まで幅広く活用することで、持続可能な未来を目指します。


サービスイメージ

なぜこの会社を立ち上げたのですか?

生方:2011年の⼤地震時、我々は電⼒の重要性を再確認しました。当時東京工業大学(現・東京科学大学)の教員だった私は、娘の未来を託せる安全・安心な理想の発電技術を考え抜き、2015年に熱エネルギー変換技術『STC』の着想を得ました。

「永久機関ではないか?」という誤解と闘い、「これが本物の技術であるならば、決して諦めてはいけない」と歯を食いしばり、多くを投げうちながら研究を続け、10報ほどの学術論文により2022年に原理を実証。そして、本技術を社会実装すべく2023年に弊社を創業しました。

これからの目標はありますか?

生方:私たちが目指すのは、一人ひとりがそれぞれの人生を安全に、そして安心して過ごせる未来を創り出すことです。安全・安心な暮らしを実現するために欠かせない要素の一つが「電力の安定確保」です。

世界情勢による資源の供給不安定さに左右されることなく、環境問題に脅かされることもなく、使いやすく、安価で、安定的に得られる電力。私たちは、そんな理想の電力を皆さまのもとへ届けたいと考えています。

理想の電力を生み出すエネルギー源として、私たちは「熱」に着目しています。

身近であるがゆえに見過ごされがちですが、たとえば室内光のエネルギーが1cm³あたり300マイクロワットなのに対し、熱は1ミリワットとエネルギー密度が高いことがわかっています。

しかし、日本で余っている熱の大半は200℃以下の低温熱です。これまでの技術では、こうした低温域での利用はほとんど不可能でした。一方、私たちのコア技術であるSTC(熱エネルギー変換技術)は、室温以上の熱での発電を確認しています。

このSTCを社会に広く実装することで、エネルギー問題・資源問題の解決はもちろん、新たな雇用の創出につなげてまいります。

最後に一言お願いします

生方:私たちは、熱発電によりエネルギー問題を解決したいと頑張っています。ですが、我々だけでは、もちろん、そのような未来をつかむことはできません。電池を作ってくださる方、バッテリーシステムとしてつくり上げてくださる方、我々の電池を買ってくださる方、そして我々の電池を世の中に広めてくださる方。ぜひお力添え頂戴ください。

めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
今回は2回目の取材となりました!エネルギーの未来を切り開く存在、これからがますます楽しみですよね♪それでは次回もお楽しみに♪

Bounce
https://ellethermo.studio.site/
再生可能エネルギー発電及びオール電化製品・機器、その他の新エネルギーに係る製品・機器の製作・販売

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