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2021年07月05日

営業力のKDDIと技術力のオプティムが手を組んだ、中小企業向けDX推進会社「DXGoGo」って何?

DXGoGo株式会社
岡田 圭之介
代表取締役。法人企業直販、間販営業に従事。KDDIアライアンス営業部長を経てDXGoGoへ参画。
DXGoGo株式会社
池澤 洋一
代表取締役副社長。プロダクト開発、企業コンサルに従事。オプティム社長室での事業戦略を経てDXGoGoへ参画。
DXGoGo株式会社
伊藤 優二
取締役事業統括部長。法人企業アカウントSE、PM(プロジェクトマネージャー)に従事。KDDI DXソリューショングループリーダーを経てDXGoGoへ参画。

課題とチャンスのコーナーでは、毎回、コラボレーションした企業とスタートアップのケーススタディをお届けします。


2021年4月20日、KDDIとオプティムは合弁会社DXGoGoを設立しました。第二電電(DDI)、国際電話のケイディディ(KDD)、関東や東海地域でモバイル事業を展開していた日本移動通信(IDO)が合併し、現在のKDDIの前身となる会社が生まれたのが2000年。同じ年、オプティム(OPTiM)は創業地の佐賀で、デジタル放送向けの技術開発やインターネット広告配信から事業を始めました。それから20年あまり、両社はインターネットが変えてきた同じ時代のパラダイムシフトを体験してきた企業と言えるでしょう。


新会社DXGoGoが生業とするのは、その名の通り中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援です。DXという言葉自体がバズワードなので詳細な定義は曖昧ですし、特に中小企業の業務形態は多岐にわたるため、求められるソリューションもさまざまです。中小企業庁のデータによれば、実に日本企業421万社の99.7%が中小企業であるため、ここをDXすることは日本全体のDXにつながり、労働人口減少にもかかわらず生産力低下を克服できれば、この市場で世界を先導できる立場になれる可能性があります。


今回は、KDDIとオプティムがどのような経緯でタッグを組むことになったのか、そして、合弁で生まれた新会社はどのような共創成果を期待しているのかについて、DXGoGo代表取締役社長の岡田圭之介さん、代表取締役副社長の池澤洋一さん、取締役事業統括部長の伊藤優二さんに話を伺いました。岡田さんと伊藤さんはKDDIから、また、池澤さんはオプティムからDXGoGoの現職に就いておられます。


社名に賭けたDXへの思い

全国に顧客や営業拠点を持つKDDIでは、同社のビジネスセグメントが中心となり、顧客のDXに取り組む専門組織を作りました。しかし、大企業向けコンサルティングが中心となり、全国の中堅・中小企業へのアプローチが遅れている、また提供商品が出そろっていないという課題がありました。一方で、AI・IoT・ドローンなどを活用し、ITとリアルビジネスとを掛け合わせたサービスを数多く持つオプティムは、顧客からの評価は高いものの販売チャネルが限られている、という課題を持っていました。

もともと、KDDIとオプティムは、デバイスマネジメントサービス(KDDI Smart Mobile Safety Manager、オプティム Optimal Biz)で協業関係があり、KDDI専務の森敬一氏、オプティム代表取締役の菅谷俊二氏を中心とした話し合いを通じて、合弁会社の設立を目指したそうです。そうして、2021年4月に生まれたのがDXGoGo(ディーエックスゴーゴー)。提供するサービスと思いをそのまま社名に込めたわかりやすいネーミングが功を奏し、世の中への訴求・認知度は期待以上のもので、オプティムの株価が反応を見せたほどでした。

DXGoGoの事業は始まったばかりで、提供するサービス内容は今後多様化していくと見られますが、まずは中小企業向けに、複数拠点の労働状況を可視化する、営業レポートを音声入力・解析しデジタルに残す、煩わしい契約書の管理をAIを活用し簡易化する、などコーポレートDXにつながるSaaSの販売に力を入れていく予定です。また、オプティムの強みであるリアルな事業現場向けのソリューションを、農業や医療などDXから取り残されていることが多い分野にも浸透させていきたい考えです。

今後の課題とサービスの差別化

単なるツールを販売するのにとどまらず、DXを浸透させていく上で、提供する内容や体制には常々試行錯誤が求められます。DXGoGoとそれを支援する KDDI、オプティム全ての組織が、今まさに〝産みの苦しみ〟に耐えているようです。

お客様への訴求力ある商品に仕立てるにあたり、営業現場やお客様の聲(こえ)を汲み取り、また今までとは異なるアプローチや企画にチャレンジすることで、差別化を狙った議論を重ねています。設立したばかりでまだまだ山積みですが、今後もメンバー一丸となり取り組んでいきます。

取締役事業統括部長 伊藤さん

また、顧客である中小企業の立場に立った時、DXGoGoが提供するサービスは、それまでのITソリューション会社やシステムインテグレータが提供してきたものと何が違うのでしょうか。

DXGoGoはビジネスシーンにおける〝スピード感〟を体現すべき事業体です。従来企業では煩わしく、ボトルネックになりがちな意思決定や煩雑な手続きをITを駆使し最速で行い、SaaSを素早く導入することで、短期間で具体的な効能をお客様にお届けすることを目指します。技術のオプティムと圧倒的な営業力を誇るKDDI、両社がいて初めて実現できることだと信じています。

代表取締役副社長 池澤さん

新たにチャレンジするビジネス開発事業では、オプティムの強みが生かされることが大いに期待されます。この点について、DXGoGoではまず、オプティムのドローンを使ったピンポイント農薬散布で作る減農薬米「スマート米」の事業拡大に取り組みます。これは農業向けDXの一環で、収穫された米は、給食事業を営む企業への販売、auPayマーケットによるeコマース販売など、両社の強みが活かせる事業拡大へのビジネス展開へ果敢に挑戦していきます。

次回も国内の共創事例をお届けいたします。

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