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2024年04月12日

新サービス誕生!KDDIとdotDが織りなす、ペット愛あふれる「auわんにゃんサポート」

株式会社dotD
小野田 久視
代表取締役CEO
KDDI株式会社
畑瀬 泰博
パーソナル事業本部 サービス・商品本部 サービス開発部

3月5日、KDDIと事業創造ファームを展開するdotDが協業により立ち上げた新サービス「auわんにゃんサポート」がリリースされました。このサービスは、ペットオーナーの幸せと利便性を追求し、ペット市場に新しい風を吹き込むことを目指しています。


一方で、サービス開始までの道のりは、決して簡単ではありませんでした。大企業とスタートアップという立場の異なる両社が、どのように協業に至り、課題を乗り越えてきたのでしょうか。今回は、両社の担当者の対談から、「auわんにゃんサポート」誕生の裏側に迫ります。


KDDIが「ペット×通信」に可能性を感じた理由

KDDIは、2022年5月頃からペット関連のサービスを検討していました。当初はお得にペットオーナーに喜んでもらえるサービスの構想からスタートしました。しかし、新サービスを作るには、KDDIだけでは限界があります。そこで、ペット関連の知見やノウハウを持つパートナーが必要不可欠だと考えました。そんな中で着目したのが、ペットの健康管理アプリを提供するdotDの存在でした。KDDIで本事業を担当した畑瀬泰博氏は、当時の状況をこう振り返ります。

自分で犬を飼っていた経験はありますが、ペット業界のことはあまり知らなかったので、まずはパートナー探しからスタートしました。ネットで調べたり、ペット関連のアプリを使ってみたりする中で、dotDさんの「onedog」というアプリが目に留まりました。世の中にはペットの健康管理アプリがたくさんありましたが、onedogを使ってみると便利な上にペットと過ごす時間が楽しくなる工夫が施されており、ユーザーからの支持が厚いことがわかりました。

畑瀬氏

「onedog」サービスイメージ

onedogは、dotDが2018年12月にリリースした愛犬の健康管理アプリです。散歩の記録をアプリ内に残すことで日々の散歩がより楽しくなり、習慣化や適度な運動につながります。また、ヘルスケアの記録は病気の予防や早期発見、適切なケアに役立ちます。

auショップなどの店頭で売るサービスを作るのは難しいと感じていたので、ユーザーに愛されているサービスを提供している会社と組んで、新しいサービスを作れたら、面白そうだなと思いました。

畑瀬氏

dotDがKDDIとの協業を決断したワケ

dotDにとって、大手企業からの協業オファーは珍しいことではありませんでした。ペット市場の魅力に気づいた企業は多く、dotDは引く手あまたの状況でした。dotD代表取締役CEOの小野田久視氏は、次のように話します。

ペット市場は非常に魅力的です。我々のところには多くの協業の連絡が届いていました。具体的には2ヶ月に1回ぐらいのペースです。そんな中、KDDIさんからのご提案は、ペットや飼い主、ペット業界のことを本気で考えたプロジェクトであると感じました。

KDDIさんは、我々のビジョンや目指す世界観を理解した上で、協業を打診してくれました。また通信キャリアであるKDDIさんは、我々にはない巨大な顧客基盤を持っています。そこにリーチできる可能性があるのは、一人でも多くの飼い主にサービスを届けたい我々にとって非常に魅力的でした。ただ、やはり一番の決め手は、KDDIさんのチームの熱量と我々の思いが一致していたことです。KDDIさんとの協業なら実りあるものになると確信していました。

小野田氏

こうしてKDDIとdotDの協業はスタートしました。しかし、そこから「auわんにゃんサポート」をリリースするまでの道のりには、険しい出来事もあったようです。

「auわんにゃんサポート」サービスイメージ

大企業とスタートアップの違い、どう乗り越えたか

新サービス「auわんにゃんサポート」を立ち上げるために、KDDIとdotDは何度も打ち合わせを重ねました。しかし、両社の立場の違いから生まれる課題も少なくありませんでした。dotDの小野田氏は、協業当初のことを以下のように振り返ります。

当然のことで覚悟もしていましたが、組織規模の違いから意思決定のスピードや複雑さに戸惑うこともありました。我々のようなスタートアップには、高速でPDCAサイクルを回す文化が根付いており、新しいことをやりたくてウズウズしているメンバーも多くいます。またカルチャーの話だけではなく、スタートアップはスピード感を大事にしなければ、例えば2ヶ月の事業の遅れが致命的になることもあるのです。

小野田氏

こうした課題を乗り越えるために、両社は徹底的に話し合いを重ねました。スタートアップの立場を理解してもらうために、小野田氏は自身の過去の経験も赤裸々に語ったそうです。

私も起業する前は大企業に勤めていたので、スタートアップの気持ちを理解できなかった時期もありました。大企業は数ヶ月プロジェクトが後ろ倒しになったところで、倒産することはないので、危機感の程度に差があることは当然です。ただ、両社の立場を理解している私だからこそ理解してもらえる側面もあると考え、KDDIさんに危機感を共有できるようミーティングを重ねていただきました。

小野田氏

こうした努力が実を結び、KDDIとdotDは無事に新サービスを立ち上げることができました。

初日の申込数が目標の10倍でした。正直、数字を見た時は目を疑いました。我々が共創したプロジェクトは間違いではなく、ユーザーさんに受け入れられているんだなと、実感しました。嬉しい反面、これからはアプリの品質維持により一層気を引き締めないといけないという気持ちも生まれました。

畑瀬氏

サービスは順調にスタートを切りましたが、両社とも気を緩めることなく、さらなる発展を目指しています。

サービス開始はゴールではなく、あくまでスタートラインです。ユーザーさんの期待を裏切らないよう、サービス改善を徹底的に行っていくつもりです。また、KDDIさんとは、単なるサポートサービスに留まらず、ペットエコシステム全体を盛り上げていくための議論も続けたいと考えています。攻めと守りのバランスを取りながら、ユーザーファーストのサービスを作り上げていきます。

小野田氏

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