- インタビュー
2023年08月31日
プラントベースフードを循環型生産モデルで開発・製造-ディッシュウィル
- 株式会社ディッシュウィル
中村明生 - 代表取締役
スタートアップ×大企業の事業共創プラットフォーム「KDDI ∞ Labo」では、日々様々な領域のスタートアップ企業と面会しています。そこで、皆様により多くのスタートアップ企業を知ってもらうべく、これから月次全体会の登壇企業以外のスタートアップもご紹介していきます。
今回は、株式会社ディッシュウィルです。プラントベースフードを循環型生産モデルで開発・製造を手掛けるスタートアップです。代表取締役の中村氏に話を聞きました。
代表取締役の中村氏に伺いました
何をしている会社ですか?
中村:将来確実に起こるであろう食料危機に対して、植物工場で大豆を育て、加工し、プラントベースフードとして生産する最先端のビジネスモデルです。砂漠の真ん中や宇宙空間でもディッシュウィルの工場から食品が産み出される未来を作っています。
1期目はプラントベースフード製品(FORK事業)を複数品目開発、国内外で製品を流通させる準備をし、2期目の2023年の冬に大豆工場(FARM事業)の立ち上げ、2024年の春にはすべての事業を一気通貫で提供していく予定です。プラントベースフードのバリューチェーンを自社だけで完結させる、「FARM to FORKストラテジー」を日本から発信していきます。
ディッシュウィルの代替肉を使用したハンバーガー
ディッシュウィルの代替肉を使用したナゲット
なぜ会社を立ち上げたのですか?
中村:新卒からずっと食品業界でキャリアを積み、数年前にこのビジネスモデルを思いつきました。「日本」だからこそ「食」の世界で勝負できないかと考えていました。一方で、植物工場についての専門的な知見であったり、この壮大なビジネスモデルを構築するだけの資金など、足りないものを数えて実行に移せていませんでした。
ある日、懇意にさせていただいている社長にこの話をしたところ、「中村さんならできるよ。お金は私が出すよ。」と言っていただき、その時の勢いもあり起業を決意しました。アンテナを張っていると人脈もどんどん拡がっていき、それぞれの分野の専門家が集まり力を貸して下さるようになり、起業したからこそ頭の中にだけあった空想のビジネスモデルが現実のものとなりつつあります。
これからの目標はありますか?
中村:世界で日本の食ブランドとしてディッシュウィルが認知されることと、プラントベースフード業界ナンバーワンになることです。ジャパンアズナンバーワンと呼ばれた時代を食の切り口から再燃させます。
最後に一言お願いします
中村:2023年7月で2期目の小さな会社ではありますが、ディッシュウィルはプラントベースフード分野においてはすでに多くの知見を蓄えています。垂直統合モデルでプラントベースフードを提供するという事業モデルで、サーキュラーエコノミー、カーボンクレジットなどのトレンドも組み込みながら事業を成長させていきます。
試食会に行ってきました!
試食会にて、実食させていただいたのは植物由来のパティを使用したハンバーガー・フォアグラ・ナゲットです。会場にて、プラントベースフードを調理し提供してくださいました。部屋の中は美味しそうな香りが充満しており、出来上がるのを楽しみに待っていました。
植物由来のパティを使ったハンバーガー・ナゲット・フォアグラ
ハンバーガー
これまでスーパーマーケットで植物由来のハンバーガーを試してみましたが、ジューシーさや風味において本物と違和感を感じてしまい、頻繁に食べていませんでした。しかし、ディシュッウィルさんのものは加工されたものだと全く感じさせないほど、ほぐれ感が巧妙に再現されていました。現在、パレスホテル東京にてオリジナルプラントミートバーガーを販売しているので、ぜひ試してみてください!
フォアグラ
開発者のお話では、完成度はまだ40%程度とのことでしたが、それでも驚くほどの本物のフォアグラに近い食感と味わいがありました。この製品は現在、フレンチシェフからのアドバイスをもとに改良を続けています。本物のフォアグラは30°に保温され、提供直前に高温度で短時間で焼かれるのに対し、プラントベースのものは30°で保温すると溶けてしまいます。その工程を、調味料を変更することや工程を増やすことにより、プラントベースのフォアグラを製造しています。
チキンナゲット
大豆臭が全くしないことが特徴的でした。プラントベースの味付けは大手食品メーカーでも難しい工程ですが、ディッシュウィルは開発者のこれまでの経験や知見の高さから絶妙な味付けにすることができるそうです。
- めぇ〜ちゃん
- この試食会を機会に、植物由来食品を頻繁に購入しております!気候変動や人口増加に伴う食糧危機においても、安定的に食品を製造することができそうですね!それでは次回もお楽しみに!
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