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2022年10月26日

優勝は現場の遠隔作業を支援するクアンドーーB DASH CAMP 2022 Fall in Fukuoka参加レポート

日本を代表するベンチャーキャピタルB Dash Venturesは、日本最大規模の招待制カンファレンス「B DASH CAMP 2022 FALL IN FUKUOKA」を10月19日〜21日にて開催しました。MUGENLABO Magazine編集部の新米記者めぇ〜ちゃんより、B DASH CAMP 2022の参加レポートをお届けします。


めぇ〜ちゃんMUGENLABO Magazine編集部
本誌の新米記者。事業共創やオープンイノベーション、CVCに関する知識を勉強しながら、MUGENLABO Magazineの制作に携わる。

B DASH CAMP 概要

B DASH CAMPとは、B Dash Ventures株式会社が運営する国内外のインターネット業界の第一線で活躍する経営者や著名人、スタートアップが集結する日本最大規模の招待制カンファレンスです。講演やセッション、ネットワーキングを通じ、参加する関係者のビジネスがグローバルに飛躍する場になることを目的とした日本最大級のスタートアップイベントであり、昨年に続き今年も福岡を会場として開催しました。
業界における先駆的事例や成功事例に関する講演・セッションのほか、インターネット業界で活躍するキーパーソン同士のネットワーキングやスタートアップによるピッチコンテストが行われ、今年もスタートアップや大企業など含めて総勢約1,000名が参加したビッグイベントです。


B DASH CAMP 会場の様子

オープニングセッション

3日間あるB DASH CAMPでは、DAY1がキックオフパーティー、DAY2よりいよいよ講演やセッション、ピッチイベントが始まります。その初セッションであるオープニングでは「ネット企業の成長はどこに向かうのか(2022秋編)」をテーマに、Web3や脱炭素などに言及されました。以下、登壇者とコメントの抜粋です。
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登壇者
・B Dash Ventures 代表取締役社長 渡辺洋行氏
・Thirdverse 代表取締役CEO・ファウンダー 國光宏尚氏
・セプテーニ・ホールディングス 代表取締役 佐藤光紀氏
・ENECHANGE CEO 城口洋平氏
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  1. Web3市場について
    國光氏:2007年以降のスマホやソーシャル、クラウドが牽引してきたWeb2時代では、GAFAの時価総額が日本の全上場企業の時価総額を上回っている。一方、2000年のドコモの時価総額はGAFAの時価総額を上回っていたことを鑑みると、いかに日本が世界の波に乗り遅れたかが分かる。Web3が台頭しインフラレイヤーが整ってきた今、その上に乗るサービスが重要。

    佐藤氏:感覚的には20年前の1998年のインターネットの状況に近い。まだAmazonが誕生したばかりでGoogle等がない時代と似ており、市場が小さいうちに参入し将来的に大きな果実を得られるという、スタートアップにとってはチャレンジする意味がある。一方、今のWeb3はまだユーザー数が少なく、インターネット時代とは生まれるトランザクションの数が圧倒的に異なるため、今後は多くのトラフィックを生むサービスが必要な時期であると言える。

    城口氏:Web3はまだ世界的にも小さなトレンドで市場規模もまだ低い。向こう30年で考えると、脱炭素の方がビジネス規模が大きいテーマだと感じている。

  2. 脱炭素ビジネスとスタートアップ
    國光氏:「脱炭素」は市場規模は大きいが、補助金や規制、営業力の世界であり、若者のスタートアップとはほぼ関係がない世界のようだ。世界で活躍する企業はテスラくらいで若者には向いていない。ドメスティックな中に規制を作る方がビジネスとして成功しやすい印象がある。また、重要なことは「若者にとって新しいテックトレンドが何か」であり、中でもWeb3は再び挑戦できる領域である。

    城口氏:脱炭素は40〜50年後に経済合理性が合ってくる時間軸の世界で、補助金がないと成り立たないのが現状。規制を作っていく必要がある難しい世界だが、2021年の世界における投資で最も大きいカテゴリが脱炭素であり、1998年時点のインターネットは脱炭素ではないだろうか。

  3. ピッチコンペティション「Pitch Arena」

    B DASH CAMPの目玉コンテンツは、なんといっても次世代を担う有力スタートアップ複数社によるピッチイベントです。書類審査を通過した16社のスタートアップがDAY2にピッチを行い、そこから以下の6社がファイナリストとしてDAY3のファイナルラウンドに登壇しました。


    最終ピッチファイナリストの6社

    1. 株式会社Pictoria
      24時間配信可能なAI VTuber「紡ネン」の運営。 VTuber運営のノウハウを基盤としたNFTプロジェクト「NEN」の開発。
    2. nat株式会社
      ネットワークがない現場でもmm単位での計測が可能な建設業向け3Dスキャンアプリ「Scanat」の提供。
    3. 株式会社クアンド
      建設業、製造業、設備管理業などの現場に特化した遠隔作業支援ツール「SynQ Remote」の提供。
    4. 株式会社レイヤード
      日本の医療を持続可能にする、かかりつけ医PFの運営。WEB問診「Symview」や患者関係性管理「Kakarite」の提供。
    5. 株式会社Yuimedi
      医療データに特化した、ノーコードのデータクレンジングソフトウェア「Yuicleaner」の提供。
    6. サグリ株式会社
      衛星データを活用した圃場の分析アプリ「Sagri」の提供。
    7. そして、今年は...株式会社クアンドが見事ファイナルの優勝者に輝きました!株式会社クアンドが提供する「SynQ Remote」は、現場で撮影した画面や映像を共有、ワンタップで図や文字を書いて指示や説明が出来るツールです。
      レガシー業界の現場では常に労働力不足に直面しています。また、労働時間の30%は移動や確認に時間を取られていることが分かったものの、LINEやZOOMでは間違いないよう明確に指示することが難しいという課題がありました。SynQ Remoteはポインタ機能により簡単に細かい指示が出来たり、現場の状況を写真やメモ付きで記録することもできたりと、現場のあらゆる課題の解決に貢献します。


      優勝が発表された時の様子

      めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
      株式会社クアンドは、2021年5月の∞Labo全体会にご登壇いただいております!当時お話を伺った際の記事はこちらです。

      クロージングセッション

      最終日のクロージングセッションは、グローバル化・国内市場の成長・Web3という3つのテーマで話が進んでいきました。各業界でトップを走る登壇者の皆様は今をどう捉えているのか、以下コメントを抜粋しました。
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      登壇者
      ・B Dash Ventures 代表取締役社長 渡辺洋行氏
      ・Thirdverse 代表取締役CEO・ファウンダー 國光宏尚氏
      ・bitFlyer Blookchain 代表取締役 加納裕三氏
      ・LINE 取締役CSMO 舛田淳氏
      ・クラウドワークス 代表取締役室長兼CEO 吉田浩一郎氏
      ・Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEO 川邊健太郎氏
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      登壇者の皆様

      1. グローバル化、世界へ
        Q.Web3をどう活用していくべきか?
        吉田氏:政府も政治家も強化している領域がWeb3であり、産官連携すれば日本が勝てる道筋はあるのではないかと考えている。

        Q.今ある課題はWeb3によって解決されるか?
        國光氏:全ての産業には成長曲線がある。成熟期になるほど大手企業が強いが、今Web3を含めて新しいパラダイムが来ている。Web3版のLINEとは?メルカリとは?など新しいバトルが始まると思う。「Web3ならでは」がグッと伸びてくる。

      2. 国内の成長余地について
        川邊氏:国内もまだGDP3位のため、スタートアップは国内でシェアを取り資金調達をして早く海外に出ていくといいのではないか。
      3. Web3に関する議論
        國光氏:「日本は規制が厳しく海外は緩い」と言われるが、海外が緩いのではなくまだ規制がないだけ。あえてポジティブにいえば、日本は規制があるからそれに沿う形にすると合法的に事業ができる。海外で規制がないところで戦う方法もあれば、国内で規制に向き合って海外展開していく方法、どちらのアプローチもチャンスがある。今は前者が多いが、後者のプレイヤーが増えてもいいのかもしれない。

        川邊氏:岸田政権の大型経済対策の中心にスタートアップ支援があり、今はチャンスの時期だ。戦い方として政府を巻き込んでいくということも大事。また、M&A減税を背景に、今後スタートアップのEXITとしてM&Aが有力になってくる可能性がある。

      4. めぇ〜ちゃんめぇ〜ちゃん
        今回のB DASH CAMPではやはりWeb3に関する話題が多い印象でした!次回は札幌での開催と発表されましたね。またレポートをお届けしますので、お楽しみに!

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