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2024年08月06日

KDDIと松竹CVC、次世代クリエイターを支援「AS CREATION PROJECT」で縦型ショートドラマの未来を切り拓く

KDDI株式会社
斎藤 新
パーソナル事業本部 マーケティング本部

KDDIと松竹ベンチャーズが手を組み、新たなクリエイター支援プロジェクト「AS CREATION PROJECT」を立ち上げました。第一弾として、縦型ショートドラマのパイオニアである「ごっこ倶楽部」との協業を開始しました。スマートフォンを通じた新しいエンターテインメントの形を模索し、クリエイターとともに未来を創造していく取り組みについて、今回のプロジェクトを担当されているKDDIパーソナル事業本部の斎藤新氏にお話を伺いました。


プロジェクト立ち上げの背景と目的

KDDIと松竹グループのコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)である松竹ベンチャーズは8月6日、ショート動画製作を支援するプロジェクト「AS CREATION PROJECT(アス クリエイション プロジェクト)」を開始すると発表しました。

このプロジェクトは、急速に拡大する縦型ショート動画市場に着目し、クリエイターの自由な作品づくりをサポートすることを目的としています。YHリサーチによると、国内のショートドラマ市場は2026年に1,500億円に達すると予測されており、特にZ世代を中心に注目を集めています。

プロジェクトの第一弾として、日本一の再生数を誇る縦型ショートドラマのパイオニア「ごっこ倶楽部」と作品づくりを行います。ごっこ倶楽部は、2021年5月に結成されたクリエイター集団で、これまでに1,200本の動画を制作し、累計再生数40億回(2024年6月時点)を突破しています。
KDDIはショートドラマ制作に関する資金面やプロモーション活動でのサポートを行い、松竹ベンチャーズは松竹グループのアセットを提供する際の窓口を担当し、プロジェクトを支援します。この協力体制により、クリエイターがより自由に作品づくりに挑戦できる環境を整備することを目指しています。

「AS CREATION PROJECT」各社役割イメージ

しかし、斎藤氏は単なる資金援助にとどまらない支援の重要性を強調します。

我々や松竹さんのリソースを使っていただくことによって、第一弾となるスタートアップのごっこ倶楽部がこの作品作りにチャレンジしていただく環境を作れればと考えています。こうしたことが新しい作品作りに反映され、スマートフォンで視聴できる新たなコンテンツが増えることで、結果的にお客様のスマートフォンライフが豊かなものになればと思ったところから今回プロジェクトが立ち上がりました。

斎藤氏

斎藤氏は同時に新たな才能の発掘や、さらに幅広いクリエイターの方々が活躍できる場を提供することも、重要な目的の一つとなっていると述べました。

KDDIと松竹CVCの役割分担

「AS CREATION PROJECT」において、KDDIと松竹ベンチャーズはそれぞれの強みを活かした役割分担を行っています。斎藤氏は両社の役割について、次のように説明します。

KDDIの役割は、主にスマートフォンバリューを促進する観点から、様々なリソースを活用してこのプロジェクトを世の中に広めていくことです。
具体的にはスマートフォンからの情報発信などがあります。

斎藤氏

一方、松竹ベンチャーズの役割については、次のように述べています。

松竹ベンチャーズさんには、スタートアップ支援ということで松竹グループの窓口となっていただき、歴史ある松竹グループが持つエンタメ事業におけるノウハウや各種アセットを繋ぐことで、本プロジェクトをサポートいただいております。

例えば、第一弾のプロジェクトでは、PRやキャスティングの一部で協力しています。今後は、松竹さんが保有する様々なアセット、例えば撮影所やロケ地、さらには映像に対する知見などでもサポートいただく予定です。

斎藤氏

この協業により、KDDIのテクノロジーと顧客基盤、松竹の映像制作ノウハウとエンターテインメント業界でのネットワークが融合し、新たな価値創造が期待されています。斎藤氏は、この相乗効果によってより魅力的で質の高いコンテンツが生まれることを期待しています。

ごっこ倶楽部との協業

『TikTok上半期トレンド大賞2024』でも受賞。(同社プレスリリースより

縦型ショートドラマクリエイター「ごっこ倶楽部」のGOKKOは、7月にシリーズBラウンドでJAFCOなどから総額約11億円の資金調達を実施。
そしてこのプロジェクトの第一弾パートナーとして選ばれたのが、縦型ショートドラマのパイオニアである「ごっこ倶楽部」です。斎藤氏は選定の理由について「市場に対するインパクト」を挙げます。

ごっこ倶楽部さんは、単に再生回数が多いだけでなく、映像作品を数多く手がける中で、常に新しいチャレンジをしています。縦型ショートドラマというジャンルはまだセオリーが確立されていない分野ですが、その中で積極的に新しい試みを行っている点も、我々が協業先として選んだ大きな理由の一つです

斎藤氏

プロジェクトの第一弾作品として、『トリッパーズ』というタイトルの全72話の縦型ショートドラマが制作されます。この作品は、現代社会のグレーな要素を散りばめた大人の青春ストーリーで、小島藤子さん、宇垣美里さんなどが出演しています。
斎藤氏はこのビジョンの実現に向けて、KDDIは単なるインフラ提供者としてではなく、コンテンツ制作のプレイヤーとしても積極的に関わっていく姿勢を示したいとしていました。

第一弾作品『トリッパーズ』

これからの時代はクリエイターの方の時代だと考えています。クリエイターの方々といかにパートナーシップを築き、より多くの人々に楽しんでいただけるコンテンツを生み出していくか。それが通信会社として我々が伴走できるところかなと思っています。

プロジェクトでは単にプラットフォームを提供するだけでなく、クリエイターと共に成長し、新しい価値を創造していくことを目指していまして、映像領域を専門とするauスマートパス戦略部 豆岡良亮エキスパートにもサポートいただいています。

斎藤氏

インターネット上で活動するクリエイターの方々が、単独で大きなチャレンジをすることには、まだまだハードルがあります。そのハードルを下げ、クリエイターの方々が思う存分に才能を発揮できる環境を整備することが結果的に未来を創造することにつながるのです。

今後、KDDIは「AS CREATION PROJECT」を通じて、様々なパートナーとの協業を拡大していく予定です。斎藤氏は今後の協業についても「新しいコンテンツを生み出すために、様々な業界の事業者さんを含め、多くの方々と新しいものを作っていく活動は引き続き続けていきたい」と展望を語ります。

「AS CREATION PROJECT」は、松竹、スタートアップと連携してKDDIがクリエイターとともに未来を創造していく新たな挑戦の始まりです。スマートフォンを通じた新しいエンターテインメントの形が、この先どのように発展していくのか。次の動きがありましたらまたお伝えしたいと思います。

 

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