- インタビュー
2024年12月19日
スタンフォード大学発!空間伝送型ワイヤレス給電 - エイターリンク
- エイターリンク株式会社
田中 卓巳 - BM事業統括
2024年12月13日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ8社が大企業に向けてピッチを行いました。登壇されたスタートアップにMUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんがインタビューをしたので皆様にお届けいたします。
3社目はエイターリンクです。独自の空間伝送型ワイヤレス給電システム・ソリューション「AirPlug(エアプラグ)」を提供するスタートアップです。今回は、エイターリンクのBM事業統括 田中卓巳氏にお話を伺いました。
- めぇ〜ちゃん
- 独自の空間伝送型ワイヤレス給電システム・ソリューション「AirPlug(エアプラグ)」を提供しています。
BM事業統括の田中氏に伺いました
何をしている会社ですか?
田中:空間伝送型ワイヤレス給電(WPT)技術を提供するスタンフォード大学発のスタートアップです。
当社では10m以上の距離があってもワイヤレスで数mWの給電を行えます。今は、事業領域を「FA(Factory Automation)」「ビルマネジメント」「メディカル」の3つとしています。
ビルマネジメント領域で分かりやすいのは、空調を通じた室内の温度管理です。空調というのは、コストの点でも快適さの点でもビルマネジメントにおいてとても重要なテーマです。通常、温度センサーはエアコンの吹き出し口や壁際に設置されており、設定温度との差がなくなるように空調の強弱を自動調整させます。
しかし、そのセンサーの位置が人の活動エリアと離れていると、実態がつかめず、誤った目標に対して空調が働いていることとなり、エネルギーの無駄遣いが起こります。
エイターリンクでは、まず天井に3~6m間隔で電力送信機を設置します。そして電力受信機を兼ねたセンサーを座席など人の近くに多数配置します。こうすることで空間全体かつ人の活動場所の細やかな温度管理が実現できます。
日本での量産販売と米国での実証実験を開始し、今後はヨーロッパなどの海外市場でも販売を予定しています。
サービスイメージ
なぜこの会社を立ち上げたのですか?
田中:AirPlug™のコア技術は、弊社のCTOを務める田邉勇二が、スタンフォード大学で医療用のインプラントデバイスを研究するなかで生まれたものです。彼が目指していたのは、人体深部に埋め込まれたデバイスへのワイヤレス給電でした。
一方で、当時商社に勤めていた岩佐は、出張先のシリコンバレーで田邉と出会い「この技術は医療以外の分野にも必ずニーズがある」と確信しました。その理由としては、ファクトリーオートメーション(FA)を進める自動車メーカーが、工場の配線に苦慮していることを知っていたからです。この技術を広く社会に役立てるために、彼は上司に事業化を進言したものの一蹴されてしまい起業を決意したそうです。
「さっき会社を辞めてきました。一緒に会社をやりましょう」と、田邉さんを半ば強引に口説き落とした、これが当社のプレヒストリーです。
これからの目標はありますか?
田中:これから私たちは、ビルマネジメントやFAだけでなく、さまざまな領域でワイヤレス給電技術の社会実装をリードしていきたいと考えています。
弊社の原点であるバイオメディカル領域もそのひとつです。ワイヤレス給電を前提としたインプラントデバイスの研究開発が進歩すれば、不治の病に対する新たな治療方法も見つかるかもしれません。
体内から生体情報をより正確かつ迅速に把握できるようになれば、新たなサービスやプロダクトも次々と生まれるはずです。私たちを取り巻く環境情報と私たち自身の生体情報、そしていつかはヒトの意識さえも、あらゆる情報がセンシングされ、データとしてシームレスにつながっていく。ワイヤレス給電は、そんな“究極のデジタル社会”を支えるインフラとなるでしょう。
ちなみに弊社では、そうした未来を先取りするために、スマートコンタクトレンズの研究開発にも取り組んでいます。
最後に一言お願いします
田中:このような機会を賜り、非常に光栄に思っております。今回ご紹介する「AirPlug™ for BM」はどんな企業様にもフィットするソリューションですので、ぜひ一度ご検討ください!
- めぇ〜ちゃん
- 昨今のトレンドであるワイヤレス給電に取り組む、名門スタンフォード大学発のエイターリンク社にこれからも注目です!それでは次回もお楽しみに!
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