- インタビュー
2023年04月12日
ロボティクス・AI技術で自動化・省人化を推進 - New Innovations
- 株式会社New Innovations
中尾 渓人 - 代表取締役CEO兼CTO
KDDIは、ロボティクス・AI技術で自動化・省人化を推進するスタートアップの株式会社New Innovationsへ出資したことを公表しました。「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回は株式会社New Innovations 代表取締役CEO兼CTOの中尾渓人氏にお話を伺いました。
代表取締役CEO兼CTOの中尾氏にお話を伺いました
何をしている会社ですか?
中尾:AI・ロボティクス等のコア技術を用いて、ソフトウェアとハードウェアを掛け合わせたソリューションをスピーディかつ柔軟に提供しています。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
中尾:幼少期から家電を分解するなど、機械が好きな子どもでした。中学高校では国際大会に出場するなど本格的にロボット製作に取り組むようになり、その費用を稼ぐために高校生からフリーランスのエンジニアとして働き始めました。そして、高校卒業直前の2018年1月に、ハードウェアとソフトフェア両方の技術を生かせる事業を展開する株式会社New Innovationsを設立しました。
近年、ソフトウェアによる課題解決は進んでいる一方で、ハードウェアが伴う課題は多く残っています。特に飲食業界は労働集約型の産業で、ロボットと人の共存によってより価値を生むことができると考え、まず飲食業を中心にOMO事業の展開を始めるに至りました。
弊社は、「人類を前に進め、人々を幸せにする。」を理念に掲げ、OMO(オンラインとオフラインの融合)を主軸とする事業を展開しています。省人化・自動化というと「人の仕事を奪うのか」と早合点されやすいのですが、私たちが目指すのはロボティクスを通じた付加価値創造で、労働代替によるコストダウンではありません。
これまで人が行っていた業務をAIやロボティクスなどのテクノロジーによって自動化・省人化し、そこで生み出された時間により、人はコミュニケーションなど温もりの感じられる業務に従事できる社会を実現したいと考えています。
AIカフェロボットrootC
これからの目標はありますか?
中尾:企業と連携した、OMOソリューションの新規事業開発を加速したいと考えています。現在は飲食・飲料業界や小売業界のグローバルチェーンや国内メガチェーンなどの戦略的ビジネスパートナーとして、コンサルティング業務の提供、自動調理ロボットの開発・量産や移動体の研究などを進めています。
飲食や小売から具体的な案件がスタートしていますが、私たちは対象とする領域や業界を限定しているわけではありません。あらゆる業界の課題解決に向け、実績を積み重ねていきたいと考えています。
KDDIからの出資によって期待していることはありますか?
中尾:KDDI様のアセットを実際に活用させていただく実績がすでに生まれ始めています。例えば、root CをKDDIのオフィス内に設置し、従業員の生産性が明確に向上するのかどうかの実証を近日開始予定です。
他にも、当社のOMOソリューションは世界に拠点をお持ちのお客様が多く、かつモバイルデータ通信を求められることが多いため、グローバルローミングに対応した通信モジュールを提供いただいたり、通信会社であることの基盤を活かした連携をさせてもらっています。
これまで当社だけではご提案が難しかった企業様へのアプローチが可能になっていることも大きいです。こうしたKDDI様ならではの連携がとてもありがたく、これからもお力添えをお願いできればと考えています。
最後に一言お願いします
中尾:近年、人的資本への配慮がますます求められるようになり、どの業界においてもテクノロジーを活用は喫緊の課題になっていると思います。New Innovationsは、テクノロジーで人の働き方を変え、人手不足の解消や従業員満足度の向上、そして事業の安定性を向上をします。
さらには、業務効率化や生産性向上、新たなビジネスモデルの創出、顧客体験の向上などを叶えることで、企業の売上増加や利益増大、産業の発展に貢献します。業界問わず、事業へのインパクトを重視したソリューションを提供します。
あらゆる経営課題に応えるべく、一見無理難題だとしても、スタートアップだからこその柔軟性で、課題解決のためにスピード感を持った開発を行います。お気軽にお声がけいただければと思います。