CEO/Founderの杉浦氏に伺いました

何をしている会社ですか？

杉浦：Inspire Highは、世界とつながる探究的な学びを手軽に教室で実践できるプログラムです。主に中学校・高校で「総合的な探究の時間」「特別活動」「道徳」「公共」などの授業での活用や、各校独自のキャリア教育やSDGs教育などに幅広く利用されています。

Inspire Highでは世界中のクリエイティブな大人たちの多様な生き方や価値観、仕事、社会課題に触れていきます。また、彼らから出題される「答えのない問い」に挑戦することで"自己表現力"を養い、全国の10代と意見や価値観を共有することで "他者を知る心" も育んでいきます。

予測不可能で不確実な時代において、新たな学習指導要領が「生きる力」を中心に改訂されたことからも、未来を生き抜くための21世紀スキルおよび非認知スキルの重要性が高まっています。その中で必要となる力を育てる機会をオンラインでの双方向方のプログラムとして、経済的・地理的要因問わず提供しています。

【プログラム例】
・台湾デジタル担当大臣オードリー・タンと考える「社会はどう変えられる？」
・詩人 谷川俊太郎と考える「言葉ってなんだろう？」
・マサイ族長老と考える「アイデンティティってなんだろう？」
・国連職員と考える「平和ってなんだろう？」
・失敗研究者と考える「失敗は怖いもの？」
他にも、起業家、科学者、ロボット開発者、漁師、消防士、映画監督、ファッションデザイナーなど多様な方々に登場いただいています。ビジネスモデルとしては、学校の教材費として、生徒数にあわせて年間アカウント利用料をいただいています。

なぜ会社を立ち上げたのですか？

杉浦：10代の頃から「なぜ人は分断し、争いを止められないのか」ということをずっと考えてきました。2020年代の今、この問いはよりグローバルに普遍的な課題として共有されていると思います。

その解決方法として私が考えたのは、まずは「自己実現」、困難はあれど自分が納得のいく人生を送ることができているという実感を持つこと。次に「他者理解」、自分が生きる世界は小さく、自分と異なる人がこの地球には多く存在することを知ること。この２つが両立されていることが大切だと考えました。

そのためには、大人になってからではなく、最も多感な10代のときに多様な生きる選択肢があることを知ることと、様々な他者がいることをできるだけ多く知る機会をつくることが重要です。そのため、Inspire Highはミッションを「世界中の10代をインスパイアする」とし、ビジョンを「一人ひとりのウェルビーイングの実現と世界平和への貢献」としています。

これからの目標はありますか？

杉浦：まず、全国中の10代にこのプログラムを届け、自分らしく生きることを支援すること。そして今年から提供先を海外に広げていき、5年後には世界中の10代が同じ問いに向き合い、相互に学び合う環境を提供します。Inspire Highがつくる教室が世界とつながるどこでもドアになり、21世紀、世界平和に最も貢献した教育体験を提供する会社になることが我々のゴールです。

最後に一言お願いします

杉浦：これまでの経済社会があまりに短期的な視野だったために「教育は儲からない」とされ、ヒトモノカネの投資対象になりづらく、それゆえに教育はすっかり現代社会から置いてけぼりになってしまいました。

しかし、世界的に短期的な成長の限界が叫ばれる今、私たちが長期的な視野を持つことができさえすれば、教育ほど企業や地域や社会に貢献しうる豊かな投資対象はないのではないかと私は考えています。

我々はまだ小さな存在ですが、大きな希望を手にしています。ぜひ、このエキサイティングな教育というドメインで、次の社会をつくるInspire Highのパートナーになっていただけたらうれしいです。