- インタビュー
2023年10月30日
世界初の定常核融合炉の稼働を目指す - Helical Fusion
- 株式会社Helical Fusion
後藤 拓也 - 取締役
2023年10月19日、KDDI ∞ Laboの月次全体会において、スタートアップ4社が大企業に向けてピッチを行いました。MUGENLABO Magazine編集部のめぇ〜ちゃんが登壇企業にインタビューを行いました。1社目はHelical Fusionです。磁場閉じ込め方式で核融合エネルギーの社会実装を目指すスタートアップです。今回は、Helical Fusion取締役の後藤拓也氏に話を聞きました。
- めぇ〜ちゃん
- 磁場閉じ込め方式で核融合エネルギーの社会実装を目指します。
取締役の後藤氏に伺いました
何をしている会社ですか?
後藤:核融合は二酸化炭素を排出せず、燃料が海水から採れ、暴走や高レベル放射性廃棄物とも無縁であるなど、脱炭素社会実現のカギとなるエネルギー源です。弊社はヘリカル核融合炉によって核融合エネルギーの社会実装を実現することを目標に、核融合炉の設計や要素技術(高温超伝導マグネット、液体金属ブランケット等)の開発を行っています。
長年、核融合科学研究所でヘリカル核融合炉の設計活動と工学研究を行ってきた研究者を含むチームにより、発電プラントの建設からメンテナンスを含む運転までを見据えた核融合炉設計を行い、必要な要素技術についても独自の先進的なアイデアを取り入れて開発を進めています。
「Helical Fusion」イメージ
なぜ会社を立ち上げたのですか?
後藤:核融合は70年以上にわたる苦難の研究の歴史を経て、その実現の最終コーナーに差し掛かっています。開発が先行したトカマク方式を中心とした国家プロジェクトに加え、近年はスタートアップ企業が様々な方式を掲げてその実現にしのぎを削っています。
数ある核融合炉の方式において、日本独自のアイデアで生み出されたヘリカル核融合炉は連続運転・メンテナンスが容易という特徴を持っており、社会実装に最も向いていると考えています。また長年の研究により核融合に必要な一億度のプラズマ温度や一時間近いプラズマ保持時間を達成するなど、十分な実績も持っています。このヘリカル核融合炉によって核融合エネルギーの社会実装を実現したいと思い起業しました。
これからの目標はありますか?
後藤:現在進めている要素技術開発の成果を集め、核融合炉の全ての機能を備えたプロトタイプを建設・運転して統合実証を行います。そしてその成果を元に世界初の定常核融合炉を最速で2034年に稼働させる計画です。
弊社は「人類は核融合で進化する」をビジョンとして掲げています。持続的かつ安定したエネルギーを創造することでエネルギー自給を達成し、カーボンニュートラル・水素社会の実現に貢献することはもちろん、世界平和の実現や宇宙進出など、人類を一段アップデートするような未来を目指しています。
最後に一言お願いします
後藤:核融合エネルギーの実現に、ありとあらゆる分野の知識と技術が必要で、また核融合エネルギーが社会実装されれば社会インフラなどにも大きな変革がもたらされ、様々な社会課題の解決にもつながると考えています。どのような関わり方であっても歓迎です。一緒に未来を切り開きましょう!
- めぇ〜ちゃん
- 世界初の定常核融合炉による、持続的かつ安定したエネルギー供給に注目です!それでは次回もお楽しみに!
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