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2022年04月11日
スマートコンタクトレンズのMojo Visionが開発上の重要なマイルストーン到達について発表
KDDIは、スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発・生産を行う Mojo Vision への追加出資を公表した。「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。Mojo Vision, Incは、3月30日開発状況について公表、商用化に向けた重要なマイルストーンに到達したと発表した。
最新のMojo Lensのプロトタイプでは、ARコンテンツを投影するためのディスプレイや光学系、データを効率的にストリーミングするための低遅延通信プロトコルなど、新しい技術を発明・開発し、かつそれらを機能的なシステムにまとめ上げている。
「Mojo Lens」開発のタイムライン
最小・高密度ディスプレイ Mojo Lensの中核をなすのは、1インチあたり14,000ピクセルのマイクロLEDディスプレイだ。直径0.5mm、ピクセルピッチ1.8μmのこのディスプレイは、ダイナミックコンテンツのために作られた世界最小・最密のディスプレイである。独自設計によるマイクロLEDディスプレイは、文字や高解像度ビデオを着用者の網膜上に投影し、屋内、屋外、目を閉じた状態でも視認することが可能となっている。
文字や高解像度ビデオといったコンテンツは、5GHz帯無線により配信される。Bluetooth LEよりも効率的で高速なMojo Vision独自の通信プロトコルを使用することで、ARアプリケーションに必要な超低遅延での通信を可能にしている。
Mojo Lensは、カスタム設定された加速度計、ジャイロスコープ、磁力計を搭載しており、目の動きを継続的に追跡して、目の動きに合わせてAR画像を静止させることができる。Mojo Lens の視線追跡は、今日の主要な拡張現実/仮想現実の光学視線追跡システムよりも桁違いに正確で、Mojo Vision 独自の視線制御によるユーザー体験を可能にする重要な要素となっている。電源には医療グレードのマイクロバッテリー、Mojo Visionが開発した電源管理集積回路、ワイヤレス充電コンポーネントなど、独自の電源管理システムを採用している。
Mojo Vision は、今後大規模なユーザーテストと分析、ソフトウェアアプリケーションのプロトタイピング、およびシステムと製品の全体的な最適化を進め、商用化に向けた開発を進捗させる予定。健常者の臨床試験に加え、視覚障害者の臨床評価も開始し、矯正不能な視覚障害を持つ何百万人もの人々を支援する使命を果たしていく。
Mojo Vision, IncのCEOであるDrew D. Perkinsは、KDDIのインタビューに対し以下の通り答えている。
Mojo Lensの順調な開発進捗を日本の皆様にもお伝えできることを嬉しく思っています。Mojo Visionは、株主であるKDDIや、日本初で最大のコンタクトレンズメーカーであるメニコンとの共同開発契約など、日本の経済界と強い結びつきがあり、彼らが当社の重要な仕事に貢献してくれていることを誇りに思います。
Mojo Vision, Inc CEO Drew D. Perkins
スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発・生産