- インタビュー
2022年11月09日
人類は核融合で進化する - Helical Fusion
- 株式会社Helical Fusion
田口 昂哉 - CEO
KDDIは、商用核融合炉を開発するスタートアップの株式会社Helical Fusionへ出資したことを公表しました。脱炭素などの環境課題に取り組むベンチャー企業への出資を行う「KDDI Green Partners Fund」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回はHelical Fusion CEOの田口 昂哉氏にお話を伺いました。
CEOの田口氏に伺いました
何をしている会社ですか?
田口:商用核融合炉の開発を行っています。核融合はCO2を出さない、燃料が地球上に無尽蔵にある、安全性が高いなどの特長があり、未来のエネルギーとして期待されてきました。
ただし技術的なハードルが高いためまだ世界で誰も核融合を商用化できている人はいません。我々は核融合研究の専門家を中心として会社を立ち上げ、核融合エネルギーの早期社会実装を目指しています。
Helical Fusion 事業イメージ
なぜ会社を立ち上げたのですか?
田口:核融合はこれまで「夢のエネルギー」と呼ばれてきましたが、昨今技術レベルの向上とともに商業化の動きも活発化してきました。特に海外では核融合分野への注目度が高く、民間でも数千億円の投資が行われています。
日本は世界でもトップレベルの技術を擁していますので、このチャンスを生かして世界をリードし、いち早く核融合エネルギーを現実のものとすべく起業しました。
これからの目標はありますか?
田口:2040年に世界初の定常核融合炉を社会実装することを目指しています。
KDDIからの出資を通して期待していることはありますか?
田口:技術的な面では、通信技術での協業に期待しています。核融合炉では実験段階を含めて多量のデータを扱います。それらを早く・安全に送受信することは研究開発の加速化を可能にすると考えています。
また技術以外の面では、多くの消費者様との接点をお持ちであるところが心強い点だと思っています。核融合は専門性の高い技術ですが、いざ社会実装するとなるとやはり国民の皆様一人ひとりにご理解・ご協力を頂く必要があります。その点で、多くの顧客基盤を持ち、お客様とのコミュニケーションに精通しておられるKDDI様とパートナーシップを組むことができることに大いに期待しています。
最後に一言お願いします
田口:核融合は我々人類を次のステージに連れて行ってくれるくらいの革新性をもった技術だと考えています。それだけに技術的なハードルもあります。「核」という言葉に不安をお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。
それらを全て解消していくのが我々の使命だと考えています。是非ともこの新技術に期待して、応援頂けますと幸いです。
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