- インタビュー
2022年10月20日
身近な植物資源から、環境にやさしい新素材を - アミカテラ
- 株式会社アミカテラ
増田 厚司 - 代表取締役会長
KDDIは、プラスチック代替素材『modo-cell®』を開発・製造するスタートアップの 株式会社アミカテラへ出資したことを公表しました。脱炭素などの環境課題に取り組むベンチャー企業への出資を行う「KDDI Green Partners Fund」を通じたもので、出資額や評価額などの詳細は非公開。
今回はアミカテラ 代表取締役会長の増田 厚司氏にお話を伺いました。
代表取締役会長の増田氏に伺いました
何をしている会社ですか?
増田:modo-cell®(モドセル)という、プラスチック代替素材の開発・製造をしている会社です。modo-cell®は、セルロース(植物繊維)が主原料ですので、生分解性がある、すなわち自然に“モドセル”環境にやさしい素材です。
ユニークな特徴として、主原料を特定しない点が挙げられます。放置竹林の竹・製材業で出る木の皮・コーヒーを抽出した後のかすなど多くのものを原料として利用できますので、これまで十分に活用されてこなかった植物残渣や資源の有効利用にもつながります。
また主原料の物性が壊れないため、竹を主原料にしたものは竹本来の抗菌効果が出ます。現在ホテルや飲食店様でストローを導入いただいておりますが、長時間飲み物に入れていても、溶けたり唇にくっついたりしないと大変好評です。環境に優しく、使い心地もよいmodo-cell®製品をぜひお試しいただきたいです。
なぜ会社を立ち上げたのですか?
増田:modo-cell®の開発は、今から30年ほど前に台湾で始まりました。基本開発者の王正雄は竹製割りばしの製造機械を開発していたのですが、割りばし製造の過程で大量に排出される竹の端材をなんとか活用できないか、と考えたのがきっかけです。
台湾にてmodo-cell🄬製品の製造・販売は先行しており、フードコートの食器やコーヒーチェーン店のタンブラー等に採用されています。日本でも食品・飲料品メーカー様や地方自治体様から植物残渣利用のご相談を多くいただくようになり、日本での製造・販売の拠点としてアミカテラを設立しました。
これからの目標はありますか?
増田:本年、念願だったmodo-cell®原料の国内生産がいよいよスタートします。modo-cell®から製品を成型加工する際には特別な設備は不要です。従来のプラスチック成型機をそのままお使いいただけるため、導入を検討いただきやすい素材だと考えています。
今後は国内のプラスチック成型加工会社様と一緒に、食器やカトラリー、ワンウェイ容器等の製品化、将来的にはボトル、レジ袋、通信機器など、石油系プラスチックに代わる幅広い製品への導入も進めていく予定です。環境負荷を減らす社会づくりに向け、私たちのmodo-cell®が、日本、さらには世界中で身近な選択肢の一つに成長していくことが目標です。
KDDIからの出資を通して期待していることはありますか?
増田:modo-cell®はまだ知名度が低く、国内での導入事例も限られます。この度au直営店でのストローの導入をきっかけに、幅広い年代のみなさまにmodo-cell®を知っていただく機会になると期待しています。またKDDI様のネットワークを通して、環境に配慮した製品づくりや植物残渣の活用という観点で、企業・自治体様との連携を広げていければと考えています。
最後に一言お願いします
増田:modo-cell®の開発を始めた当初はまだプラスチック問題への関心は低く、私たちもプラスチック代替素材として開発を進めてきたわけではありません。ですが昨今の環境問題への取り組みの中で、「自然のもので、自然の力で、自然に還す」というコンセプトが様々なシーンでお役に立てるものと確信しています。modo-cell🄬でこんな製品は作れないか、自社残渣専用のmodo-cell®工場の設立はできないか等、関心をお持ちいただけましたらぜひお気軽にお問い合わせください。
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